骨折エース’(ダッシュ)・・・鋼鉄の左腕(後編)
そうしていってきた近所のひなびた接骨院。
「大きな病院で治療してもらったんですが、腕の腫れがひきませんねん」
とたずねると
「次いつ来いっていわれたん?」
とのこと。
「治ったら来い、といわれました。(マジで」
と正直に言うと
「は?これ手にやってんのギブス違うのにか。」
「はい。」
「・・・ふーん。おかしいな。どこの病院や」
「B病院です。」
「そうか。普通は腫れがひけばギブスにするために病院行くねんけどな。」
・・・って、またかよ・・・誤診記録更新中。
「ま、とりあえず診よか。包帯はずすわ。」
と、おもむろに骨折エースである私の左手にまきつけてある包帯を先生はほどいた。
「うわ。なんじゃこら。締めすぎやで。だから腫れるんやわ。」
・・・って、まだ・・・誤診記録更新中。
看護婦さんも嘆いていた。
皆の見守るなか、今日。骨折エースである私の左手に
かちんこちんのギブスが装着された。
鮮やかな乳白色・・・!
心地よいざらざら感・・・!
何よりも
そう。
どんな衝撃にも耐えられそうな
まるで鋼鉄のような
嗚呼わが左手よ。
骨折エース’(ダッシュ)!!
降臨!!!
さ。診察券もろて帰ろ。
でも左手
ちょっと重いわ。