ミリオンソード・サンライズ4「機動戦士ガンダム」その弐

放映当時、敵のロボット兵器にはいろいろな呼称があったものだ。
機械獣
メカザウルス
メカブースト
ハニワ原人
などなど。こういう設定で、オリジナリティーや恐怖感をあおることが、センスといえた時代だったのだろう。
さて、ガンダムの世界で登場する
モビルスーツ
は、最初わけがわからなかった。なぜなら、
「なんでロボットなのにスーツ(服)なの?敵も味方もみな「スーツ」」
というわけで、残念ながら私は放映当初の第一話をみて、第二話から観なくなった。
だっておもしろくないし、ガンダム、その当時の流行じゃない格好だったんですから。
そう、当時のヒーローメカは、みんな共通して
派手さ満載
体のあちこちに武器が満載
主人公が男気満載
ロボットのクセに口があって、必殺技名称をロボットもしゃべる。
足首がないのがトレンド
だったのだ。ところがガンダム
地味
武器はバルカン砲とビームサーベル
主人公(アムロ)は一話目から泣き虫
必殺技そのものの設定がない。
足が細い
・・・ということだし。しかも、一話目から
こわいしかわいそうだし
という内容だったしね。
私と同じように、せっかく歴史に名を残すだろう、あの名作
機動戦士ガンダム
と、出会ったおきながら、2話目から見なくなった人は、
きっと私だけではないと思う。
それっくらい、当時は受け入れられなかった。
さて、話をもとに戻して
モビルスーツ
だ。実は、ご存知の方も多いと思うが、これは実存する、ある構想をモデルにしている。
それは
パワードスーツ構想
である。宇宙開発(NASAなど)をすすめる業界で、実際の構想のなかに組み込まれていたものだ。宇宙の船外活動時、また月面や、かの有名な
スペースコロニー構想
について、船外作業が当然あってしかりで、重機を使用せずに効率よく作業をすすめるなかで、人が操縦し、想像もできないくらいの力を発揮する、いわゆる
人型ユンボ
のようなものの開発が、実際考えられていたのだ。
パワードスーツがどんなのか観たり知りたけりゃ
クラッシャージョウ(劇場版)
吾妻ひでお作品
バブルガムクライシス
などにでてくる。いずれもちょっと昔の話だ。
もしかすると士郎正宗作品にも登場しているかもしれない。
さて、横道にそれてばかりだ。
パワードスーツ
は、小型の核融合炉が原動力になっている。
核融合とは、ヘリウム(H3)などの軽い分子を科学的に合成、いわゆる「核融合反応」させた際に大量のエネルギーが発生することを利用する動力源である。
太陽、が、日々核融合を継続していると思っていただければよい。
この反応は軽い分子でなければならない。比較的安全性が高い、
未来のエネルギー源だ、と当時は言われていたが、
今に至っても原子力発電などの危険な動力源を代替できるほどの開発はなされていない。
小型、ということがパワードスーツには必要な条件なため、
現在においてはPDスーツ実現構想も、暗礁に乗り上げているのかと思う。
その反対は、
核分裂
というもので、いわゆる原子力発電所のなかで行われていることである。
ウラニウム
など、アクチノイド系やランタノイド系の重分子の核分裂反応、
(ウランであれば、プルトニウムなどへ物質そのもの変化をきたらし、)
ラジオアイソトープ、いわゆる放射性元素をあつかうことで
原動力を確保しよう、というものだ。核分裂反応を用いた
原子力発電
については、賛否両論になりますが、世界各地で原子力発電所が運営されている、
核分裂
については、実はガンダムにも登場してくるのだ。
核融合炉はガンダムの動力
核分裂炉はホワイトベースの動力
なのだ。実際の構想から、さほど遠くない未来を書く。
ああ、リアルリアルっと。
では、またまた続く。