ミリオンソード・サンライズ1「ザンボット3」

いよいよ、私の得意分野を披露しませう。
サンライズ作品っ!
そう、というよりも富野作品かもしれない。
この作品、当時のロボットアニメを凌駕するいくつかの点があり、
私も「なんだ?こりゃあ」と小6のころに思ったものであります。
めんどくさいのでラレツしますと・・・
1.主人公・神勝平の声優が大山のぶ代だった。
2.3機合体「ザンボット3」の登場が、1話ではなく途中からだった。
それまでは、「ザンボエース」という主人公操縦の飛行形態、ロボット形態、と鮮やかに変形するマシンが活躍していた。
3.街が破壊されていくと、人々が避難していた。(当時のロボットモノって、街で大暴れする悪役ロボットをヒーローメカがやっつけるのだが、次の日になると何もなかったかのように町が戻っており、その不自然な現象が当たり前のように受け入れられた。壊れた街は壊れたまま、という描写が当時、実に新しかった。)
4.実にあたらしいヒーロー像を作っていた。「神ファミリー」という正義の味方が、悪の組織「ガイゾック」と戦っていく。だが、「神ファミリー」が居るから、戦いが起こるんだ、と市民運動が展開されていく。守ってやっている街の人から、主人公たちが非難される、という悲しげなストーリー展開だった。
5.主人公が技の名前を言わない。(これって、私が一番感動したことだ!!!
「ブレストバああーン!!」
「光子力ビいいームっ!!」
「ゴッド、(一息)ゴおおーおガンっ!(声色太く)」
「超電磁たああつううまああきいいーーーっ!」
「超電磁コマっ(早くきる)!」
「サンダーブレええーク」
「ゲッターああああシャアアアイインんっ」
「社あ員スパアアークっ」
数え上げればキリがないくらい、必殺技や武器の名前を、実に無駄無駄無駄に叫んでいたのが、当時のロボットアニメの王道だった。ところが、ザンボットではごくたまに「ザンボットクラップっ」などの小技はドラえもん(大山)が叫んでいた程度。もちろんとどめの一撃の「ムーンアタック」はいつも同じ動画で、主人公ドラえもん(大山)が叫んでいたが、これは許容範囲だし、予想の範疇ですまされる。
なによりも、やっぱり必殺技は叫んでなんぼだし。
「ビームサアアーベルっ」
「ビームラアアイフルっ」
「メガ、(一息)りゅうううーしフォーおウっっ(HG)!」
なんて、のはリアルロボット時代にはまったくない。当たり前だが・・・
まあ、新しい試み、をズバットやってみせたのは、さすが富野さんだと思う。
やはり、忘れてはならないのが、「全殺しの富野」といわれるゆえんである、衝撃アンド感動の最終回だろう。神勝平以外、神ファミリーの全員やら愛犬もみんな死んでしまう。
非常に悲しげな最終回だったが、最後の最後に、勝平をみんなた受け入れてくれるあのシーンは忘れられないし、エンディングとオーバーラップするところも涙を誘う。
「もう帰ることない、宇宙の星よ、さらば、さらば、もう会えはしない。けれど、涙はいらない、僕らには母がいる、父がいる、平和で豊かな地球がある〜♪」
メロディー的にはマクロスのエンディングに似ていて、詩的にはガンダムのエンディング「永遠にアムロ」と似ている。そういう意味でも先駆といえるかも。
予断だが、
「なぜ、必殺技を叫ぶのか」
という命題がある。当然、ご存知だとは思うが、これは

もしくは
武士道
がからんでくる。
円月殺法っ!」
といいながら、剣術を挑んでくるのが美徳である。
また、日本の実在の歴史、戦国時代でも、勇者の決闘の際は
「やあやあわれこそは、尾張の武将 なんちゃらである」
などと、名乗って戦う、というのが美徳であり、

のあかしであった。
たかがマンガ、ではあるが、そういう日本人古来の勇者の美徳、
侍魂、いやさ大和魂
を作品に込めた、80年代のロボットアニメは最高だと思う。
だから、今こそ叫ぼう
「ロケットパアアーーーーーーンチっ!」
日本ロボットアニメ万歳っ!
じゃあね。