ミリオンソード・マクロス斬り

昨日、ガウォークのことを語ったので今日はマクロスを語ろう。宇宙戦艦ヤマトはまた後日。
超時空要塞マクロス
は、設定当初
超弩級要塞マクロス
だった。どういうわけで設定が変わったのかは知らないが、まあ聞こえの問題だと思う。
ヲタクを増殖させた、という大罪を問われているが、
んなことをいうヤツは無視。この作品への感動を伝えようッ
昭和58年、日曜日の午後2時からというそれまでとは異例の時間帯で放映開始。
1話目は1時間のスペシャル。私はアルバイトのため、見ることができなかった。
次の日の月曜日、学校(当時私は高校2年生)でものすごい話題になっていた。
これで私も腹を決めて、当時は20万円そこそこしたビデオデッキを購入してしまったのだ。
その後、気に入ったアニメ作品ばかりを収集することになる。
さて、
この作品が登場した当時の時代背景は、
サンライズシリーズとして、久しぶりに放映していた富野作品
戦闘メカサブングル
が終わり、
聖戦士ダンバイン
が放映開始。そのほか、女性ファンを増殖させた
銀河旋風ブライガー
が終わり、
銀河疾風サスライガー
の放映開始。その他、矢立肇氏一本原作シリーズの
太陽の牙ダグラム
が終わり、
装甲騎兵ボトムズ
が放映開始。
特撮分野で宇宙刑事シリーズで、ギャバンからシャリバンへ移行
した、時代である。少し話題がそれるが、宇宙刑事シリーズは、特撮ブームの新たな分野を切り開いた、と思っているので、この点についても後日語る。
さて、ご覧いただいたようにリアルロボットアニメシリーズやら、一風変わったSFモノが乱立していた時代である。
機動戦士ガンダム
が火付け役となった、リアルアニメブーム以降、各作品はあまりスポンサーに媚びることなく、(この表現について、私は腹にイチモツ持っているので後日語る)いかに、SF考証に面白みを見せて、ドラマ展開をいかに面白くするか、という点で製作者は頑張っていたように思う。しかし、そのドラマ展開の方向性は、どうしても悲しみや、壮絶さ、社会風刺などもあって、やや重い印象があった。その方が
リアル
さが強調されるからだ。
ところが。
ところがだ。
マクロスの設定が、はじめてアニメ紙上(当時は私はアニメディアを購読。一番安かったもので・・・その他はジ・アニメやら、ナウシカの連載があったアニメージュやらがあったような記憶がある。)に掲載されたとき、
バルキリー
の雄姿が掲載されたとき、思わず、
鳥肌
が立った。バトロイド形態のみだったが、銀色の輝るボディ。スマートなフォルム、そしていてリアルさを欠かしていない鮮やかな印象は、それまでの各種作品の設定を見ても感じなかった感覚だ。
そして、次号アニメディアを見て私の感動のボルテージはさらに上がる。
「え?この機体って変形するの?え?どんなのに・・・?
え?なんじゃこりゃあ!ホンマの戦闘機やんけ!!!」
と、ホントに叫んでしまった。また、
ガウォーク形態
というものがあるのを知り、また感動のボルテージがあがる。
またさらに、さらに、主人公の母艦である
マクロス
が、2キロメールの巨大戦艦が、変形して人型になる、ということも知り・・・
早く、動いているところを観たい!
と思うようになったのだ。
メカ設定と、製作スタッフについてある逸話があり、
当初、このバルキリーの設定や、マクロスの製作は
タツノコプロ
が主導になるはずだった。「ガッチャマン」やら「タイムボカンシリーズ」で有名だが。ところがどういうわけか
スタジオぬえ
が製作することになったらしい。そして、この作品が空前の大ヒットをとばしたため、バルキリーの設定と良く似た機体、
レギオス
というモノが登場する
機甲創世記モスピーダ
を、タツノコが対抗して製作した、という話もある。
設定のパクリあいにも、その片鱗を感じる。それは、マクロスという作品が秀逸とよばれる構成のひとつ
アイドル歌手
の存在だ。
リン・ミンメイ
の歌う歌は、実に挿入歌として抜群のデキだった。マクロスのBGMアルバム2枚中に、ミンメイの歌う歌が数多く収録され、その挿入歌を集めるだけても、今で言うアーティストのアルバムができ、まあ、くだらない詞ばかりであるが、この作品がでていた当時のアイドルの歌は
なんてったってアイ●ル
とか、
すし喰い●ェ
とかだったので、それに比べれば、かんなりマシのような気もする。
たかがアニメの挿入歌にして、あのクオリティ、というのが、この作品のミソだ。
それもそのはず。彼女の役をしていたのは、声優ではなく歌手としてデビューした
飯島真理
だった。現在、彼女はアメリカでソロ活動しているらしく、かなり実力をあげてきている。アルバムも18枚くらい出しているらしいが、彼女は音大で正式な音楽教育を受けた才媛。ひょんなことからのリン・ミンメイの声を担当すると同時に、主題歌「愛・おぼえていますか」も歌いヒットを記録した。アニメヒットから、アーティストへというゴールデンルールの先駆者とも言える。今で言う
玉置成美
か。ちなみに、映画「愛、おぼえていますか」には、飯島が作詞・作曲をした曲も挿入歌として入っており、彼女のアルバムにも載っている。
さて、
マクロスのドラマ展開の特徴として私が感じるのは、
1.メカの秀逸さ
2.板野サーカスの起用
3.ありえないところで女性キャラが登場する点
4.ドラマ展開の中心が、世界平和を求めるところで成長していく若者、というより愚図で優柔不断な男が三角関係にもまれて、好みの女性をゲットする、というところに終着を置いた
という点だと思う。特に4については、多くの男性が共感を覚え、3については、多くのヲタクが喜んだのではないか、と思う。
3については、ホントにばかばかしいと思う。
ピンポイントバリア
というマクロスの防御装置。
「そっちはだめー」
「やーん」
とか、言いながら、わっかい女の子が黄色い声をあげながら、
へえへえボタン
みたいなボール型の装置を動かして、飛び交うミサイルやらビーム兵器から、母艦を守っている連中がいるブリッジの状況・・・
フツーなら、
戦意喪失
か、もともと軍隊なのだから、これって私語なのだから、フツーなら、
懲戒処分
でしょ。自衛隊の女性隊員が、戦車に乗って
「やーん」
とか、言うたら。フツーは上官、怒るやろ。
そういうばかばかしさが、ウケ、リアルSFモノでありながら、作品の中に
和み
を産んだ、という点が評価されるのだろう。これは、当時の他作品にはほとんど無かった要素だ。
和み
やら、
笑い
って、大事だと思う。
9.11選挙の遊説で、小●さんは、必ずと言っていいほど笑いを入れるが、対抗野党の岡●さんは、まじめすぎるらしいんだよね。もしこれで自●党が圧勝でもしようものなら、
笑いが政権を決めた
ということにもなりかねんだろうな。
明日は、この作品のキャラ設定をした
美樹本晴彦
について語ろう。
そして、私自身も選挙に行こう。
でわ。