捨てたモンじゃない

午前8時9分鳳発の快速電車に乗り、天王寺で快速電車に乗り継いで、森之宮へ向かった。
森之宮駅で私が降車した際、結構な人数のお客さんが降りていた。
やや雑然としたホーム。そこで新人らしき駅員さんが、車椅子の降車時にサポートする白い板切れを持ってうろうろとしていた。
おそらく、車椅子で電車に乗り込んだお客さんの車両を見失ったのだろう。
うろうろ
しばらくしていた。
そこで、年のころは、そんなにおばちゃんではなく、しかし若いというには少し表現が誤る女性が一人。
この女性が、けだるそうな顔で、その頼りなさそうな駅員さんに対し、
車椅子乗車のお客さんが乗っている車両の降車車両を指し示していた。

何気ない配慮である。

親切と呼ぶには、あまりにも無愛想。

だが、見ず知らずの人間に手を貸したところは、

まだ、人間捨てたものではない、ということが理解できる。