雲がかる窓

8時30分鳳発の快速電車に飛び乗った。なぜか、
この電車は鳳駅での発車を急いている感じがする。
ドアを早く閉めよう、車掌があせっている感じがしてしまう。
ともあれ、4両目に乗車。なかなかの混み具合。
最近手にいれた小説を読もうとも思うが、
そういったスペースを確保することが難しそうだったので、
朝、家を自転車で出るときに装着していた
モリープレーヤーの電源は入れっぱなしだったので、
そのまま音楽を聴きながら、ぼんやりと天王寺まで過ごすことにした。
今日は湿度が高く、電車内はなんとなくむせている。
この空気の感じ、なんとなく疲れがでてしまう。

週の半ば。職場の机上に積みあがっている書類が片付くだろうか。

あ、あれしなきゃ。でも書類・・・午前中に仕上げられるかな・・・
電話、かけなきゃ。あ、昼に持っていかなきゃならない書類もあるな・・・
ああ、昨日のうちにやっときゃよかった。
あ、そういや、今日一人、アポ入ってたな・・・

なかなかぼーっとできない。
成長した、というよりは、オヤジになってしまったんだなあ。

なんとなく、心も疲れているような気がする。

外は小雨。

傘をさしている人、さしていない人、

十人十色

そういうことにしておこうか。

そういえば、ぼーっとしている時間、
もう少し若い頃は、音楽にシンクロさせては
そのまた思い出すと赤面してしまいそうな昔のことも思い出し、
自分の中の純粋さを大事にしていたものだ。

そういう時がまったく無くなったわけではないが、
同じ感受性が継続しているような気はしない。

大事にしておきたい心の部分ではあるが、

やや、

世の中を見る眼が成長したのか、落ち着いたのか。
そういう、自分の評価もできようがあるだろう。

しかし、

自分としては、

流れ行く風景をかき消しているような、

電車内の湿気によって雲がかっている窓

純粋さすら、霞ませるほど、
殺伐な自分になりたくはないなあ

ぼんやりと、思いふけってみた。

もう天王寺

時間の流れを、早く感じてしまう
そういう自分になってしまったことも、
少しさびしい感じがした。

そう思った瞬間。
まだ純粋さは残っているな
少し安心もしてみた。