リンゴの唄

本日は所用のため、朝9時にウェスティに立ち寄った後、9時26分鳳発の京橋行き関空快速1両目に乗った。
水曜日、ということもあって、少年マガジンをいつもどおり購入。
もと漫画研究部部長である私にとって、こいつの購読だけは譲れない。
さて、電車内でこいつの朗読。
今号の表紙は
小倉優子
だったが、このテの記事は私の趣味にあわない。だからあっさりパス。
マガジンのよいところは読者に媚びないところだ。
ジャンプは、読者アンケートの結果で、新連載のテーマを決める。
マガジンは、社会へ訴えるメッセージ的なテーマの読み切り作品が多く、
今回の読み切り作品は、そのテーマが非常に重い。
東京大空襲
これが私の心の琴線に触れた。主人公は、あの昭和の名曲
リンゴの歌
を歌った並木路子さん。彼女の生涯を漫画にしたのだ。
個人的に思うが、この唄は本当にすごいと思う。
というのは、この唄が流行する数ヶ月前、このテの唄は日本では歌ってはいけなかったのだから。「月月火水木金金」だとか、「欲しがりません勝つまでは」など、戦争にからむ歌しか、歌ってはいけなかった。まさに、日本政府は国民を歌で洗脳していた、と言っても過言ではない。
ところが、このリンゴの歌はどうだ。
焼け野原で、失望・落胆している人々に、
実に叙情的な詩と、やさしいメロディーで、
これまでは痛む心にムチ打ち、嫌でも奮い立たせられた人々に、広く癒しを与えたのだ。
癒すどころか、復興していく日本を支えた唄、と言っても過言ではないはずだ。
メディアの媒介なしに、大ヒットをしたことはすごいと思うし、
すごいと思う反面、この曲ならば当然とも思える。

私はオヤジと言っても戦争は知らない。
しかし、中学のときの社会の先生が非常によい先生で、
私に夏休みの自由研究の課題として原爆のレポートを書かせた。
被爆した土地と焼け爛れた肉体を残酷にさらす数々の写真集を提供された。
それを見たとき、実に戦争はひどいものだ、と思い知らされた。
だから、敗戦直後の日本が、どんな状態であったのか、なんとなくイメージが沸く。
戦後の復興を支えた、リンゴの歌。
残念ながら、私はこの曲の一番しか口ずさめないが、
本当にいい曲だと思う。なんとなく、涙腺が緩んでしまう。
敗戦直後の人たちの苦労は計り知れないだろう。
だが、この唄にこめられた、さまざまな人のさまざまな思いの少しくらいは理解したい。
・・・ううむ。今日はただの漫画の話から、ずいぶん重い内容になってしまった。
・・・今、それでも世界に戦争は絶えない。
戦争に至らずとも、私達の身近な人同士でも、大なり小なりのいざこざも、絶えない。
つくづく、人間は罪人なのだと思い知る。自分も含めて・・・。

さて、今夜はリンゴの歌を口ずさみ、就寝するとしましょう。
でわ。